2024.5.20
Citroën Type H - electrified by NOVAL
ノーバルが50年前に作られたフランス製貨物車を現代のEVとして再生します。
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1.コンバートEVとは?
既存車両の内燃機関を取り外し、電動機関に交換することにより作られた電気自動車のことです。つまり、中古車のエンジンや燃料系統を取り外して、代わりにバッテリーやモーターを組み込むことで作られるEVです。
コンバートEVの特徴は以下の通りです。
メリット
中古車体を再利用するため、新規にEV車両を製造するよりも省資源である。
既存の車両が持つデザインや機能性といった魅力を残してEVを製造できる。
デメリット
既存車体の特性や状態に合わせて改造を行うため、大量生産に向かない。
既存車体が電動機関に最適化された構造ではないので、市販EVと比較するとコンバートEVの走行性能や走行可能距離は劣ることがある。
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2.なぜシトロエン・タイプ H?
本プロジェクトでは、1976年型の“シトロエン・タイプ H(通称ティープ・アッシュ)”というフランス製の商用車をベースにEVを製作します。
この車両は1948年にフランスの自動車メーカーシトロエンが発売した商用車で、デザイン性と機能性がその魅力とされています。特徴的な波板プレスの外板は、車体の軽量化と強度、製造の効率化のために採用されました。
その優れた積載性能から、これまで数多くの車両がキッチンカーや配送車、救急車等として欧州全土で使われてきました。このように多くの魅力がある車両ですが、エンジンの信頼性や燃費に問題があり、加速性能も低いため、現代の交通ペースに合わせて走るのが難しいです。
一方、本車種のような電子制御化が進む前に設計されたエンジン車は、EVコンバージョンを施すベース車両としては最適です。この当時の車両は、オーナー自らが整備と修理することを前提に設計されていることが多く、技術的なブラックボックスが少なく、構造もシンプルです。
特に本車種は商用車として設計されているため、ギアやサスペンションが丈夫であり、荷室も広大であるため、大きく重いバッテリーの積載に適しています。また、多くの車両が製造されたために、部品の流通性が高く、修理が容易です。
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3.どんな車をつくるのか?
電動化により既存車両の問題点である走行性能や環境性能を向上させるだけでなく、太陽光パネルとサブ蓄電池を取り付けて、ゼロ・エミッションのキッチンカーもしくは発電所建設用のモバイルオフィスとして利用可能な車両を製作します。
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4.コンバートEV製作の意義?
ノーバルが本プロジェクトを進める目的は下記の通り。
1|Emission & LifeTime
社会における持続可能性は、製品寿命(LifeTime)と排出(Emission)の両面から追求されるべきという思想を広めるため。(エコな製品を大事に長く使うことが、最もエコである)
2|Additional Value
社会における持続可能性は、環境イデオロギーの啓蒙のみによって実現するものではなく、新たな付加価値(Additional Value)を有する代替商品・サービスの存在が不可欠であるというアイデアを実証するため。(エコなだけではなく、魅力がないと商品やサービスは普及しない)
3|Future tech
EV製造の過程で技術的問題や社会的課題を検証し、社内の技術力向上を目指すとともに社会へ発信する。
4|10 years of development
ノーバル設立から10年間で得た技術と知見の結晶として。
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5.技術協力を募集いたします
ノーバルは電気についての知見を持っているものの、自動車製造の経験を有しておらず、特に以下の項目についての技術協力・協賛を必要としています。
電子化以前のフランス車の構造に詳しい方
自動車内装の補修に詳しい方
自動車用の油圧システム(ブレーキ・クラッチ)の整備に詳しい方
ご質問・お問い合わせはこちらから
プロジェクトの進捗情報はこちらにて定期更新してまいります。
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